Android OSは、端末の製造メーカーや販売キャリアが独自にカスタマイズを加えてから世に送り出されます。
例えば、HTCのHTC Sense, docomoのPalette UIなどが有名です。
そのため同じAndroidといっても、他の端末を所持している方とは会話がかみ合わないことがあります。
それでは、ASUSの独自カスタマイズ部分とはなんなのでしょうか。
私の気付いた点のみですが書いておきますので、購入の際の判断材料などにお使いください。
アプリ
1. Supernote (Android 3.2.1以降)
これが本当に素晴らしいアプリなのでいつか1記事使って紹介しますが、簡単に言うと手書きメモアプリです。
もちろん、ASUS製端末お馴染みのキーボード入力にも対応しています。
キーボードの文字, 手書き文字, 写真, 図形, 手書きの絵などを組み合わせてノートを作るアプリなのです。
完成したノートは画像として保存したり、メールで送信したりできます。
更には、カメラや音声レコーダーと連携し、音声や動画を埋め込んだりすることもできます。
五感をフルに生かした、デジタルならではのノートを作成できることのできるアプリなのです。
ASUSの端末紹介PVにも多々登場するので、是非探してみてください。
2. MyCloud
MyCloudは、ASUS WebStorage, MyDesktop, asus@vibeの総称です。
ASUS WebStorageとは、ASUSの提供するクラウドストレージサービスです。
無料で2GBまで使用できますが、TF101使用者は1年間容量無制限、TF201使用者は8GB永久無料で使用することができます。
MyDesktopとは、Splashtop社が7ドル程度で販売している有料アプリ”Splashtop Remote Desktop HD”をASUSが独自にカスタマイズしたものです。
Splashtop Remote Desktop HDの全機能が無料で使えるほか、独自カスタマイズによってキーボードでの操作性が向上しています。
asus@vibeとは、Eee PC時代からASUSが提供するインターネットラジオや音楽が楽しめるサービスです。
日本向けのコンテンツは少ししかありませんが、無料でも少々楽しめます。
3. MyLibrary
ASUSの提供する電子書籍閲覧アプリです。
EPUB/PDF/txt形式に対応しており、音声読み上げやマーカーの記入にも対応しています。
実はタブレット向けのPDFリーダーとしても高性能で、私が試したどの有料アプリよりも高速に描画されました。
こちらもasus@vibeから電子書籍や、後述のPressReader向けの電子新聞をダウンロードして閲覧することもできますが、日本向けのコンテンツはありません。
そのため日本向けモデルでは、BookLive! for ASUSも同梱されています。
こちらは、日本のBookLive!が提供するBookLive!に、10冊の無料ダウンロード権が付いたものとなります。
4. MyNet
ASUSの提供するDLNAサーバー/クライアントアプリです。
ただのDLNAクライアントではなく、サーバーにもなるのでタブレットの動画ファイルをTVの大画面へ出力することもできます。
残念ながら、日本独自の著作権管理保護機能などには対応していませんが、標準規格内ではちゃんと動作します。
5. ファイルマネージャー
Android OSでは何故か標準でファイルマネージャーが提供されていません。
Windowsでいうところのエクスプローラー, Mac OS XでいうところのFinderにあたるアプリです。
そこでASUSが独自に提供しているわけですが、キーボードドックのUSB接続やSDカードなどにももちろん対応しています。
タブレットならではの2ペイン表示や、ファイル検索などの機能もちゃんと実装されているので、とても便利です。
6. App Locker (TF101 4.0.3以降, TF201 標準)
特定のアプリの起動にパスワードでロックをかけるアプリです。
友人や子供にAngry Birdsで遊ばせてあげる際に、誤って仕事の大事なデータを削除されたらたまりませんよね。
マーケットでも同様の製品が売られていますが、こちらはシステムレベルで組み込まれているので安心です。
アプリの起動履歴や、他アプリからの共有、通知領域からの呼び出しなど、考えられるすべての起動方法を試しましたが、すべてロックしてくれました。
単純ながら不可欠な機能だと思います。
7. アプリのバックアップ (Android 3.2.1以降)
Android OSでは提供されていない、アプリのデータをバックアップすることができるアプリです。
例えばTF101からTF201へ乗り換える際に、Angry Birdsのセーブデータを失わずに移行できるわけです。
単純ながらとても便利で欠かせない機能です。
8. ASUS Sync
PCと接続した際にOutlookのカレンダーやアドレス帳と同期できる機能です。
Google カレンダーなどと同期していても併用して使えるので、非常に便利です。
9. ASUS Keyboard
ASUSの提供する多言語対応キーボードアプリです。
Android キーボードの24ヶ国語を上回る42ヶ国語に対応しており、第二外国語を扱える人には非常に便利です。
さらに、自分の癖に合わせて入力方法や予測変換などを高度にカスタマイズできるようになっています。
もちろん、ASUS製端末お馴染みのキーボード入力にも最適化されています。
しかし、日本語には対応していないので、日本向けモデルではASUS Keyboardの代わりにFSKARENが同梱されています。
変換候補の精度が悪くソフトウェアキーボードも使いにくいと悪評ですが、手書き入力に対応しています。
しかしキーボード入力にも最適化されているほぼ唯一のIMEなので、これは今後の改善アップデートに期待です。
ASUS Keyboardが削除されてしまっているのは残念です。
10.Polaris Office
Polaris Officeについては他社製アプリとは独立させて書くことにします。
こちらはタブレットに最適化されている、Microsoft Office互換のOfficeスイートです。
Android マーケットにあるタブレットに最適化されたOfficeスイートは、私の知る限りではQuickOffice Pro HDしかありません。
1500円以上もするQuickOffice Pro HDを買わずに済むうえに、マーケットでは手に入らない方が付いてくるのでお得ですね。
肝心の互換性については、QuickOffice Pro HDと互角、といったところで、PCのLibreOfficeのように、図形には弱いものの最低限の互換性はちゃんと保っている感じです。
そのため出先で受信したものをその場で閲覧する、といった使い道がメインでしょうか。
PDF閲覧機能も付いていますが、描画速度ではMyLibraryの方が上です。
逆にPolaris Officeで書いたものをMicrosoft OfficeやLibreOfficeで表示するとほぼ完璧に再現できました。
また、Google ドキュメントとBox.netとの連携機能があるのでそちらと読み書きすることも可能です。
特にBox.netは現在50GB無料キャンペーンを行っているので、容量を気にせずに保存することが可能ですね。
ライバルのQuickOffice Pro HDはDropboxやSugarSyncなど更に多彩なサービスとの連携機能があるのでアップデートに期待です。
11.他社製アプリ
電子書籍アプリのAmazon Kindle, PressReader, Zinioが同梱されています。
また、NVIDIA TegraシリーズのCPU/GPUに最適化されたゲームを探すことができるTegraZoneアプリも同梱されています。
私は極力マーケットでも入手できるアプリはシステムに組み込まれていて欲しくないのですが、買った直後から使いこなせるようにという配慮でしょう。
ウィジェット
1. ASUS Time, ASUS E-mail, ASUS Weather
現在時刻, メール着信, 現在地の天気を確認できるウィジェットです。
2. ASUS Battery (TF201のみ), ASUS Task Manager (TF101 4.0.3以降, TF201 標準)
現在の電池残量, タスクマネージャーのウィジェットです。
3. ASUS MyZine
メール着信, カレンダー予定, 電子書籍, 天気, 最後に表示したWebページ, 再生中の音楽, スライドショーを一括で表示できるウィジェットです。
壁紙
ASUSのEee Padシリーズのトレードマークとも言える木の壁紙が6種類同梱されています。
ライブ壁紙
1. ASUS MyWater
端末の傾きに合わせて水面が動きます。
バッテリー残量に応じて水量も変わり、充電中は泡が出ているのが面白いです。
2. ASUS My Water II (TF101 4.0.3以降, TF201 標準)
こちらも端末の傾きに合わせて水面が動き、バッテリー残量に応じて水量も変わり、充電中は泡が出ます。
こちらはサメが泳いでいたり、背景が時間に合わせて暗くなったりします。
3. ASUS Day Scene (TF101 4.0.3以降, TF201 標準)
前述の木の壁紙を、時間に合わせて切り替えるだけのシンプルなライブ壁紙です。
システム
1. ASUSカスタマイズ設定
アプリ履歴キーの長押しでのスクリーンショット撮影や、タッチパッドの操作性などを変更できるようになっています。
TF201では、Tegra 3のパフォーマンスやSuper IPS+液晶の設定などが更に増えています。
2. ASUSクイック設定お知らせパネル (TF101 4.0.3以降, TF201 標準)
Android OSでは2ページにわたる通知領域を、1ページにまとめることで操作性を向上したものです。
TF201では、Tegra 3やSuper IPS+の設定も変えられるようになっています。
3. 通知音 (TF101 4.0.3以降, TF201 標準)
Android OSにはアメリカ人の感性なのか、日本の公共の場で鳴るととても顰蹙を買いそうな通知音ばかり同梱されています。
そこでNewMessageという人前で鳴っても違和感のない、耳に優しい通知音が同梱されています。
4. タッチ操作音 (TF101 4.0.3以降, TF201 標準)
Android OSのタッチ操作音は、チッという耳障りな音なので、多くの人が無効にしていると思います。
そこで、最大音量にしても微音の耳に優しいタッチ操作音に差し替えられています。
タッチ操作音にまで拘っている端末は珍しいですね。
総評
日本向けカスタマイズはほぼありませんが、Android OSの機能を削ってはいないので、互換性は問題なしです。
Android OSの標準アプリを独自アプリに差し替えたせいで特定のアプリが動作しないという話はよく聞くので、そこは安心です。
また、新機種が出るとその機能を可能な限り旧機種でも使用できるようにアップデートしてくれるのが最大の好感ポイントです。
型落ちしても新機種が出る度に楽しめますね。
タッチ操作音などユーザー目線で考えたカスタマイズが多く見られる点がかなり好感を持てます。
アプリのバックアップも使いまわせますし、是非次もASUS製品を買いたいと思わせるカスタマイズです。
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