最も人気なLinuxディストリビューションUbuntuの最新バージョン、12.04 Precise Pangolinが公開されました。
今回はLTS(Long Term Support: 長期サポート)版となっています。
12.04 LTSより、3年だったサポート期間が更に増え、5年もの長期サポートが付属しています。
LFGの原点である”Ubuntu”の、移転後初のアップグレードですね。
ダウンロードは公式サイトから、Ubuntu Japanese Teamによる、Ubuntu Japanese Remixはもうしばらくお待ちください。
更新点
UIの変更点
- デフォルトの壁紙が若干明るめに。
- Light テーマ(Ambiance/Radiance)で、非アクティブウィンドウが分かりやすくなった。
- オーバーレイスクロールバーが多少太くなった。
- LightDM(ログイン画面)で、ユーザーの壁紙を表示するように。
- Unity Greeter(LightDMのテーマ)のセッション選択を、アニメーションを多用した作りへ。
- Ubuntuのインストール中にTwitterの #Ubuntu ハッシュタグをストリーム表示するように。
- Ubuntu One コントロールパネルをQtを使用したUIへ一新。
- Unity Dashの色を変更可能に。
Unityの変更点
- HUD(Head-Up Display)を搭載し、メニューバーの項目を検索して実行可能に。
- Unity Launcherをマルチモニターに最適化。
- Unity DashのHome Lensを一新。(最近起動したアプリや開いたファイルの履歴を表示)
- Unity DashにVideo Lensを搭載。(ローカルやYouTubeなどの動画検索)
- OSD通知やUnity Lensの背景色を壁紙と同化させるように。
- 外観の設定でUnity Launcherのアイコンサイズの設定などを変更できるように。
- Compiz 設定マネージャーでUnityの設定を弄れるように。(デスクトップを表示アイコンの追加など)
- [Win]キー長押しでUnityのキーボードショートカットを表示するように。
- アプリやLensで、クイックリストやプログレスを活用するように。
- [Win] + [Tab]でカバーフロー風UIを採用したUnity Launcherのタスク切替を表示。
- [Alt] + [Tab]でカバーフロー風UIを採用したワークスペース毎のタスク切替を表示。
主要アプリのアップデート
- Ubuntu ソフトウェアセンター 5.2
- Nautilus/Gedit/Empathy 3.4.1
- Firefox/Thunderbird 11
- LibreOffice 3.5.2.2
- Banshee → Rhysmbox 2.9.6
- Vinagre + rdesktop → Remmina + FreeRDP (リモートデスクトップ)
- Zeitgeist Activity Log Managerを搭載(システムの設定のプライバシー)
- Landscapeを搭載(システムの設定の管理サービス)
- Synaptic パッケージマネージャ, Tomboy メモ, gbrainyを削除
- Deja Dup Backup Tool 22.0, Gwibber 3.4.0, Shotwell 0.12.2, Totem 3.0.1, Transmission 2.51
システムのアップデート
- Ubuntu Kernel 3.2.0-23-generic (Linux Kernel 3.2.14 相当)
- X.Org 7.6
- Xorg Server 1.11.4
- Upstart 1.5
- Mesa 8.0.2
- Compiz 0.9.7.6
- GTK+3 3.4.1
- Gnome Shell 3.4.1
- Unity 3D/2D 5.10.0
- Qt4 4.8.1
- CUPS 1.5.2
- GCC 4.6.3
- Libc 2.15
- Python 2.7.3/3.2.3
- MySQL 5.5.22
- PHP5 5.3.10
- RC6 for Sandy Bridgeが有効になっており、GPUがアイドル状態のときに低消費電力に。
- 高速なDNS解決のためにdnsmasqを採用。
- IPv6をIPv4と同様にサポート。
- クリックパッドのサポートを改善。
- Debianとの互換性のために、sudoのユーザー名をadminからsudoへ変更。
- デフォルトではハイバネーションを無効化。
- LiveCDがPAEを使用しているので、PAEをサポートしていない古いPCでは導入不可能に。
スクリーンショット
各機能の分までは用意していないので、OMG!Ubuntu様やWEB UPD8様の記事をご覧ください。
レビュー
今回は2年ぶりのLTSですね。
思えば前回のLTSだった10.04が、Ubuntuの1つの転換点でした。
ブランドイメージもHuman テーマからLight テーマへの変更がかなり影響した気がします。
そして2年の時をかけてUnity インターフェイスが完成の域へと到達しました。
次回のLTS、14.04では、一体どのような方向性へ開発が進むのでしょうか。
Ubuntu TVやUbuntu for Androidなどの発表がありましたが、遂にPCの枠から飛び出すかもしれませんね。
Windows 8やMac OS Xの新機能も、実はUbuntuが先に実装していたものが結構あります。
アプリケーションストア(Windows Store/Mac App Store), クラウドサービス統合(SkyDrive/iCloud), Twitter/Facebook統合, USB 3.0のサポート, ISOファイルのマウント機能, USBメモリでの環境持ち出し機能(Windows to Go), などと挙げていくときりがありません。
今後も先進的な新機能に期待したいところですね。
また、GNOME ShellとGNOME Classicがリポジトリから使用可能になったので、Unityが嫌いな人も本家GNOMEへ簡単に移れるようになりました。
それだけでなく、MATEやCinnamonなどのGNOMEベースのデスクトップ環境は増えてきたので、それだけで楽しめますね。
今年2012年はChrome OSの一新、UbuntuのLTS、OS X Mountain Lion、Windows 8と大忙しですね。
モバイルでもiOS 6やAndroid 5.0も今夏リリースとの噂です。
PCもモバイルも激戦区のなか、Ubuntuの更なる挑戦に期待です。
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